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昔々

1 :おいら名無しさんヽ(´ー`)ノ:04/02/15 06:53 ID:ofPJA/DL
昔々あるところに大きな桃がいました。
桃は川へせんたくに出かけました。
すると川上からどんぶらこどんぶらことおじいさんが流れてきました。
その水死体はダイイングメッセージ付きで、紙に血で「おに」と書いてありました。
おじいさんのかたきうちのため、桃は鬼が島に鬼退治に出かけました。
途中で猿と犬ときじを家来にして、鬼が島につきました。
そして鬼たちを倒し、鬼の大将を倒した瞬間、何故か猿と犬ときじも次々と倒れていきました。
桃がかけよると、きじは言いました。
「きびだんごだクソ!味おかしかったぞコノヤロー!」
きじは犬猿の仲の仲裁するのに疲れてストレスがたまっていました。
きじのその言葉を聞いて、桃の中で全てが一つにつながりました。
桃はもう一度ダイイングメッセージの書かれた紙を見ました。
よく見ると「おに」の「に」の字は「ば」という字が水ににじんで消えかけたように見えました。
桃は急いで来た道を戻りました。
きびだんごはおばあさんが桃のためにこしらえてくれたものでした。
おばあさんはおじいさんを殺し、桃までをも口封じのために殺そうとしたのです。
しかし桃がついたときもうおばあさんの姿はありませんでした。
桃は罪もない鬼たちを殺してしまったことにたえられなくなり、川に身を投げました。
めでたしめでたし。

2 :おいら名無しさんヽ(´ー`)ノ:04/02/15 06:54 ID:???
でも本当はおばあさんは犯人ではありませんでした。
ではおばあさんはどこにいたのかと言うと、おばあさんは川へしばかりに出かけていました。
桃は山へしばかりに出かけている可能性と川へせんたくに出かけている可能性は考えてあたってみたのですが、川へしばかりに出かけている可能性は考えなかったので見つけることができなかったのです。
きびだんごの味がおかしかったのは、おばあさんが遊び心で後から効いてくるからしを入れておいたからでした。
そんなおばあさんのところに鬼のたった一匹の生き残りが訪ねてきました。
彼は自分の仲間がどうして殺されなければならなかったのか知りたくて桃のあとをついてきたと言います。
鬼は今までのことをおばあさんに話しました。
おばあさんは話を聞いただけで事件を解決しようとしました。
鬼は桃が落としていったというダイイングメッセージの書かれた紙を持っていました。
もっとよく見ると、それは「おばあさん」ではなく、「お」と「ば」の間に棒があるように見えました。
「オーバーサン、太陽の向こう側にあるものってなんだ?」おばあさんは言いました。
おじいさんは生前かなりインターナショナルな感じの人でした。
「息子の向こう側かもしれないですね。」鬼は言いました。
おばあさんは話を聞いただけでは事件を解決できないと判断して、急に行動的になりました。
おばあさんは川へ現場検証に出かけました。
そこには桃が引き上げたままのおじいさんが横たわっていました。
「衣服の乾き具合から見て、引き上げられたのは1時間前ってとこですね。」鬼が言いました。
「今日の午前十一時ごろか。」おばあさんが言いました。

3 :おいら名無しさんヽ(´ー`)ノ:04/02/15 06:55 ID:???
「外傷がないので溺死と思われます。人と争ったあともないようなので、おそらく川に突き落とされたんでしょう。」
「川の流れの速度を調べろ。」そうおばあさんに言われて鬼は川の流速を測りました。6(km/時)でした。
「川に突き落とされて死んだというとこは、死亡推定時刻が分かれば、殺された場所が分かるな。」
「{(死亡推定時刻)−(十時)}×(川の流速)=(流された距離)ですね。」
「死亡推定時刻にそこにいた奴が犯人だ。よし、司法解剖に回せ。」
おばあさんは一人で聞き込みに行きました。
聞き込みの結果、事件当時川辺には釣りをしていたおじさんと川遊びをしていた子供がいたことが分かりました。
二人はそれぞれ発見現場から4km、10kmのところにいました。
おばあさんのもとに、鬼がやってきました。
「司法解剖の結果、死亡推定時刻は今日の午前六時と分かりました。」
「ずいぶん前だな。」
「(11−6)×6=30で、おじいさんは30kmさかのぼったところで殺されたということに。」
「それならおじさんも子供も犯人じゃないな。仕方がない、その地点の周辺住民をあたろう。」
「それが、30kmだと、川の最上地点の28kmを上回ってしまいます。」
「何?なら、川の前って何だ?」
「川の前は、雨ですね。雨の速度は重力加速度を9.8(m/s^2)とすると、v=9.8t 進む距離はx=1/2*9.8t^2 余った時間は(30−28)/6=1/3で1/3時間。つまり1200秒。
1/2*9.8(1200)^2=7056000で、7056km やっぱり雨の最上地点10kmを上回ってしまいます。」
「なら、雨の前は何だ?」
「雨の前は・・・」
そのとき、さんさんと輝いていた太陽は隠れ、あたりはうす暗くなってしまった。
「オーバーサン・・・太陽を覆うもの・・・、犯人は、雲だ!」


4 :おいら名無しさんヽ(´ー`)ノ:04/02/15 06:55 ID:???
昔々、三蔵法師は孫悟空と猪八戒と沙悟浄と白竜を連れて、天竺への長い旅をしていた。
ある日、孫悟空が空腹のあまり「きびだんごが食べたい」と口走ったばかりに、歯車は狂い、西遊記から桃太郎の世界になってしまった。
それでも三蔵法師はおじいさんに、猪八戒は犬に、沙悟浄はきじに、白竜は桃に姿を変えて生き残ったが、最も腹を立てたのは金斗雲だった。
メインアイテムからただの風景の一部になってしまったのだから。
金斗雲は裏切り者を一人ずつ殺すことにした。
まず、しばかりのリハーサルをしていたおじいさんを霧で包み、雲に取り込んで窒息死させ、川に流した。
自分が流れ出すポイントの選択にきた桃がそれを発見した。
次に、からしに悶絶していた猿と犬ときじを同じ方法で殺し、鬼が島の近くの海に流した。
「何で川や海に流す必要があったんだろう。」おばあさんは考えていた。
そこに鬼が走ってきた。
「病院が洪水にあって、おじいさんの遺体が流されたそうです。」
「何?」おばあさんは顔を上げました。
「もしかすると奴はアイデンティティーを取り戻すつもりなのかもしれない。もう一度脇役から元に戻るつもりなんだ。」
「どういうことでしょう。」
「奴が海の上のものを雨や気候で自由に動かせるとしたら?おそらくみんなをインドに流れ着かせるつもりなんだ。過程はどうあれ、先に結末を迎えたらその世界になるだろう。」
おばあさんも鬼も西遊記の世界になったらただの脇役であった。
「思い通りにはさせんぞ!」
「でも海に出てしまったのなら、もうどうしようもありませんよ。」
「桃はどうだ?川に身を投げて、まだ海には出てないかもしれない。」
二人は川沿いに車を走らせた。雲が雨を降らせ、嵐になった。
地面がぬかるみ、また川の流れは速くなった。


5 :おいら名無しさんヽ(´ー`)ノ:04/02/15 06:56 ID:???
「クソ、こんなことでは追いつけない。」
車より川の流れの方が速くなっているのは明らかだった。
おばあさんは車のトランクからモータージェットを出した。
「これをつけて川に入れば、川の流れより少し速いはずだ。」
二人はモータージェットと酸素マスクを腰につけた。
しかし、この激流に入って、生きていられるとはとうてい思えなかった。
二人は譲り合っていた。「お前は人間よりタフなはずだ。お前が行ってくれ。」
「阻止したいのはあなたです。僕は桃太郎でもそんなに重要な人物じゃないんです。」
「それでも名前を残すためにはこの川に飛び込むしか道はないんだ。」
「待ってください、奴より先に、こっちの結末を迎えればいいんじゃないですか?」
「そうだな。桃太郎の結末ってなんだっけ?」
「やっぱり鬼を全滅させるところじゃないですか?」
二人は顔を見合わせた。
鬼はあわてて車においておいたこんぼうを取りに行こうとした。
しかしおばあさんの方が少し早かった。
おばあさんはこんぼうを鬼の形相で振り上げた。
鬼は身の危険を感じて、川に飛び込んだ。鬼はすごい勢いで流れていった。
おばあさんは考えた。
このまま鬼は死んでくれるのではないか。
もし生きていたら桃を拾い上げてくれるかもしれない。
でも生きていても桃を拾わない可能性もある。
それなら自分も行かなくては。


6 :おいら名無しさんヽ(´ー`)ノ:04/02/15 06:56 ID:???
しかしこの中に入るのが賢明な判断とはとても思えなかった。
おばあさんは桃太郎の世界にならなかったときのことを想像してみた。
一生脇役で過ごすなんて耐えがたい。
おばあさんは意を決して川に飛び込んだ。
やがておばあさんは意識を失った。
・・・どれほどの時がたっただろうか。
おばあさんは海辺のすぐ近くの川の中で目を覚ました。
おばあさんはわずかな力で陸に上がった。
もう少しで海に流されるところだった。おばあさんは思った。
海を見たが、桃は見えなかった。
間に合ったのだろうか。
それとももう流れていってしまったのだろうか。
不思議と心は穏やかだった。
おばあさんは汚れた服を川で洗濯していた。
すると川上からどんぶらこどんぶらこと桃が流れてきた。
おばあさんは桃を拾った。
おばあさんは二度と流されないように桃を壊してしまうことにした。
おばあさんは桃を蹴りながら、鬼のことを考えた。
何の変化もないところを見ると、まだ生きているようだ。
あとは鬼を殺すだけだ。
海に流されたのなら、そのうち死ぬだろう。
途中で陸に上がったのなら、見つけるのは大変そうだ。


7 :おいら名無しさんヽ(´ー`)ノ:04/02/15 06:57 ID:???
彼は何を考えているだろう。
彼は自分と同じように桃太郎の世界にしないと価値を失ってしまう人物だ。
しかしそのためには自分が死ななければならない。
彼はどちらを選ぶのだろうか。
いや、そのどちらでもない、第三の道があるとしたら。
おばあさんは考えながら海岸で桃を蹴っていた。
「やめろ!」そのとき、大きな声がした。
見ると鬼が何故か漁師の格好をしてこちらへ走っていた。
「しまった、そういうことか」おばあさんは必死に桃を壊そうとした。
「弱いものいじめはやめなさい」
おばあさんは死に物狂いで桃を蹴ったが、桃はなかなか壊れない。
やがて桃が少しずつ緑色に変色してきた。
「亀をいじめちゃいけない」鬼が来た。
桃は亀になっていた。
おばあさんは鬼を殺そうと殴りかかった。
しかし、鬼の方が体力の回復が早かったのか、数段上だった。
倒されたおばあさんの目に、亀に乗って海へ消えていく鬼が映った。
もう手のうちようがない。
浦島太郎が玉手箱を空けるのは海の上だからだ。
鬼の勝ちだ。
いや、もし雲が海底にまで影響を及ぼせれとしたら、あるいは亀は流されてインドに行くかもしれない。
いずれにしても、自分は脇役だ。
しかしおばあさんはそんなに悲しくなかった。
大海原の前で人間の存在はあまりにも小さく、今まで自分が追い求めていたものもちっぽけに思えてきたのだ。
そしてかすかにうれしくもあった。
ある物語が自分が主役のまま終わろうとしていることに気付いたからだ。


8 :おいら名無しさんヽ(´ー`)ノ:04/02/16 13:39 ID:???
続ききぼんぬ

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