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O家別室―王族乙女の社交場―Ψ(`▼´)Ψ

1 :名無し草:03/12/14 00:16
前スレ
O家別室ーキャロル2年後ー
http://that.2ch.net/test/read.cgi/nanmin/1016380697/l50

824 :ミラの罪:04/04/30 16:13
今回で「ミラの罪」は終わりです。
読んでくださった方、レス下さった方、
心よりお礼申し上げます、ありがとうございました。
「王家の紋章、女の犯罪告白」を書いたつもりでしたが
何分稚拙な文章なのでつまらなかったと思います。
レスが何よりの励みになりました、本当にありがとうございました。

>「籠の中」作家様
いつも楽しみに読ませて頂いてます。
いよいよクライマックスでしょうか?w
最後の最後まで楽しみにしております、頑張って下さい。

825 :名無し草:04/04/30 17:16
連載乙です。
カワイソウなラストだったけど、こういう生き方しかできないっていうのが伝わってきて物悲しいです。
自分たちだけ幸せそうなキャロルと王子がチト憎たらしく思えてきました。

連載中のほか作家様たちも、続き楽しみにしております。

826 :名無し草:04/04/30 20:51
>ミラの罪作家様
うpありがとうございました。
私も王子は少しミラタンを哀れんでほしいな。
歴史の中ではこんな悲劇が本当にあったんでしょうな。

827 :名無し草:04/04/30 23:02
>ミラの罪作家様
毎日うpを楽しみにしていた者です。
乙華麗様でした。
ミラタンの最後、泣けますた…。・゚・(ノД`)・゚・。
次回作も楽しみにしてます。

828 :籠の中Ψ(`▼´)Ψ:04/05/01 10:12
>>813
45
「やめてっ、王子!いやぁー!」
叫ぼうと思うのに疲れた身体から出てくるのは掠れたような声だった。それでもキャロルは必死に王子を押しのけようと暴れまわった。
「こんなの嫌!大嫌い、大嫌い、王子なんて大嫌いよ!しないで、こんな…。いやあっ!!!」
「おとなしくいたせ。また縛られたいのか?」
王子はそう言って摘み上げていた花芯を、今度は強く柔らかな肉の中に押し込むようにした。固く勃ちあがっていた真珠が自分の中に無理やり埋められる感触。
「い…っ、痛い!」
脈打つ真珠の感触に酔わされそうになりながらも王子は責めるのを止めなかった。
「痛いのか?これは嫌なのか?では何として欲しい?どう言えば良いかは…教えたはず…」
疲れて、翻弄されて惑乱した青の瞳が涙に潤んで王子を見つめた。
(何故…?王子は優しいかと思えば恐ろしい。身体は明渡しても心だけはと思うのに、それすら辛い。いっそ何もかも受け入れようか。きっとこの人は私のことを一生…)
「姫、答えよ。もっと辛くなるぞ」
「ア……痛い…から………舐めて、くだ、さい………」
「よく申した」
王子は自分が痛めつけた場所を優しく執拗に舐め上げた。キャロルが蜜を吹き零して達してしまっても今夜は許さなかった。
「も…嫌。嫌い、嫌い。ミラにも…ミラとも…するくせに。私のことは抛っておいて。誰かと一緒なんて…嫌…」
キャロルは苦しげに冷や汗を滲ませながら、うわ言のように言った。
「なにぃ…」
王子が顔をあげた。その瞳には猛禽のような危険な光が宿っている。
「そなた、私を愚弄するのか?何故、私と居るときに他の女のことなど言い出す?」

829 :籠の中Ψ(`▼´)Ψ:04/05/01 10:12
46
キャロルは身体を引きずるようにして王子の体から逃れた。
「あなたこそ、私を侮辱しているわ。私は慰み者じゃありません!
……ミラが言っていたわ。あなたには他にも沢山の女の人がいるって。私じゃなくてもいいんじゃない。こんなこと、もう嫌。よそでやればいいんだわ!」
「………そなた、嫉妬しておるのか?」
静かに王子が聞いた。
「な…っ…!」
ひるんだキャロルの腕を捕まえ、王子はその白い小さな身体を自分の下に敷きこむようにした。
「そなたをこんなにも愛しく思い、望んでいる私の心を知りながら踏みにじり、翻弄して、逃げ回り…そのくせ得たいの知れぬ女の戯言は間に受けて、私を責めるのか?
申せ、幾度も幾度も申し聞かせ、その身体にも心にも噛んで含めるように教えてやったこの私の心を疑い、見当違いの嫉妬をするのか?
そなたは私を嫌いつつ、他の女に奪われるのは嫌なのか?なんと愚かで浅はかな!」
「違うっ!!違う、違うわ!私は、私は…」
図らずも図星を射されたキャロルはうろたえ、王子の下から逃れ這うようにして寝台から飛び出そうとした。だが冥い怒りに燃える王子からは逃れられない。
這った姿勢のまま、抑えこまれ腰を高く上げる動物のような浅ましい格好を取らされる。王子は言った。
「心得るまでは乙女のままにと思っていたが…甘やかしすぎたか。言って分からぬ相手には身体で教え込まねばなるまい。
そう、そなたはもう男と愛し合える身体だ。ふふ、恐れるな。そなたの乙女を破りはせぬ。乙女の身体のままでも…ここででも可愛がって、罰してやることはできる…」
王子はかつてないほどに昂ぶり滾りたった自身をキャロルの双丘の奥の菊花に押し当てた…。

830 :籠の中:04/05/01 10:43
>ミラの罪作家様

連載おつかれさまででした&ありがとうございました。
いつも楽しみにしていました。
ミラの哀れさ、一途なけなげさに泣けました。
次回作を是非お願いします。楽しみにしています。


831 :名無し草:04/05/01 11:53
あ・・・ア○ルセクールキタッ!!!
いやん、処女よりそっちを先に奪っちゃうのね〜

832 :名無し草:04/05/01 16:33
菊門破りキタ━━川o・-・)o・∀・)*・-・)o・ω・)o・Д・)o・ー・)o゜∀゜)o・_ゝ・)o・д・)o・3・)━!!!

833 :名無し草:04/05/01 23:34
>籠の中作家様
うp連休明けかなと思ってたので、ほんと嬉しいでつ。
嬉しすぎなので作家様、ソチャデツガ( ´∀`)つ旦

834 :名無し草:04/05/02 11:56
作家様がたうpありがdです。

結局悪い女になれないまま死んじゃったミラの悲しい最後の姿が胸に焼き付いてしみじみしました。

835 :名無し草:04/05/03 00:21
また新作クルかな〜?
途中になってる作品のつづきもどうかお願い。
作家様達楽しみにしてます、いつもサンクス。

836 :名無し草:04/05/03 08:34
作家様がた、ありがdです。
蜜月作家様、螺旋作家様もお待ちしております〜

837 :名無し草:04/05/03 16:39
連休はどうやら雨模様ですねン・・・。
何かうpくるとうれすぃな。

838 :名無し草:04/05/05 01:54
メンフィス×キャロルでエチなの来ないかな。

なんて言ってみるテスト

839 :名無し草:04/05/05 22:32
脇キャラ話も面白いよね。
個人的には「ルカの愚痴・ウナスの愚痴」みたいなのが読みてぇ。

840 :名無し草:04/05/06 00:39
エジプト王妃の作家様…本家の方でも闇でも書いてくれないかな。

841 :名無し草:04/05/06 21:05
ここのアドレス少女漫画板の本スレに張られていたが・・
荒れないといいんだけど・・・

842 :名無し草:04/05/06 22:57
王家スレの事?
だったら大丈夫じゃないかな、前から何度も張られてると思うけど。

ああー、今日はうpこないのかな。

843 :名無し草:04/05/09 19:40
嵐どころかうpもこないね 寂

844 :名無し草:04/05/09 19:47
ほんとだね…寂すぃぞ……。

845 :名無し草:04/05/09 20:08
漏れもさみしい

846 :名無し草:04/05/09 22:45
今ちょいと書いてみてるんだけど、自分のノリが悪くて書き進まないよん。。。
大好きな13巻でも読み返してみるかー。
ちょっとは萌えてくるかな?

847 :名無し草:04/05/09 23:26
>846
おおー、13巻が好きってことはメンヒスファンですね。
久々にメンフィス×キャロル読みたいでつ。がんがって下さいねー。

848 :名無し草:04/05/10 00:25
そうですな。私もメンフィス×キャロルを激しく読みたい気分です。
王子もいいけど、メンフィス物もたまには(・∀・)イイ!

849 :名無し草:04/05/10 02:23
そうだねー。私も最近メンフィス萌えだ〜。
一番はやはり王子だけどねヘタレでも。
作家様がんばって〜!

850 :名無し草:04/05/10 10:02
13巻といえばあのシーンの所でコミックスがパックリ逝ってしまったイタタな経験が・・・

「籠の中」作家さんの続き来るかな〜

851 :Ψ(`▼´)Ψ籠の中:04/05/10 10:55
>>829
47
硬く熱く荒々しいものが自分を突き破ろうと激しく挑んでくる恐怖にキャロルの肌は粟立った。
恐ろしくて厭わしくて必死にもがくのだけれど全ては無駄な抗いだった。
「お…っお願い、嫌、嫌、それだけは嫌。そんなのやめてっ…!嫌です、王子!」
叫びたいのに声は情けないほど引き攣り掠れ、身体は全く自由にならなかった。獣のように恥ずかしい格好、自分でも直接見たことの無い場所が男の前に露わにされ、蹂躙されようとしている。
「怯えるな…」
冥い声で王子は言い、指先で真珠を揉みたて、半ば以上無理やりに搾り取った蜜で菊花のあたりを塗りこめる。狂気じみた欲望が、怒りが、哀しみが…そして気づいてもらえない愛が王子を昂ぶらせ暴走させる。
指先はやがて慰めるように菊花を弄った。
「ここででも…愛せる。分からせてやろう…」
王子は強く強く自身をキャロルのつぼまりに押し当てた。未熟なそこは頑なで何物をも受け入れない強靭さをもち合わせていた。
「いやっ、いやっ、やめて、お願い。怖い、怖いの!お願い、お願い!」
キャロルは顔を枕に押し付けた姿勢で必死に嘆願した。素肌に伝わる硬く不吉な熱感。自分が滅茶苦茶にされ石榴のように裂けてしまう!
「私を…これ以上、滅茶苦茶にしないで!」
(王子が怒るのはもっともだわ。怖い、怖いっ…!私を愛していると何度も言ってくれたその人がこんな乱暴を)
キャロルは首を後ろに捻じ曲げるようにした。ちらと見えた王子の顔。まるで泣きそうな。悲しそうな。
(え?王子が…泣いている)
「人の心をたばかった罪深い姫…」
王子は指先で真珠を捏ねまわし、蜜を搾り取り、塗りたくりながら力任せに剛直を秘花に押し当てた。キャロルの絶望的な悲鳴が寝所に広がり…やがて闇に溶けて消えた…。

852 :籠の中:04/05/10 10:55
48
熱く疼く場所にひんやりとした薬が塗られた。キャロルはその心地よい感触に気づいていたのだけれど目も開けられず、声も出なかった。
(王子…だ…。どうして?どうして?)

王子は自分が陵辱し滅茶苦茶にした場所の手当てをしていた。少女は涙に濡れた顔のまま、昏々と眠っている。
「どうして…」
疲れた声がキャロルの白い肌の上を滑っていく。
それは傲慢で居丈高な生まれながらの王者の声ではなくて、人を愛することを知ったことと引き換えに強い心を失った途方に暮れた若者の声。
「愛しているのに、愛して欲しいのにこうなってしまう。どうしてなのだろうな。私にはそなたしかおらぬのに。そなたを大切に大切に包みこんで傅いて…私に微笑みかけて欲しいのに…もうだめなのか?
そなたが嫉妬して取り乱してくれたとき…どれほど嬉しかったか。たとえ軽はずみに他の女の造言に乗せられた結果だとしても嬉しかったのだ。
嫌いな相手に嫉妬など出来ぬからな。でも…こうなってしまった。
愛すれば愛するほどそなたは離れていき、でも私はますますそなたを失えなくなる。ふふっ、笑えるな。とんだ道化ではないか、私は…」
不意に。
キャロルの背中に暖かいものが滴り落ちた。
「愛しているのだ、愛しているのだ、姫。私が欲しいのはそなたの身体ではない。私はそなたの心が欲しいのだ。許して欲しいのだ、そなたを愛することを」

(あのイズミル王子が泣いている…。自分の心を吐き出して。あの誇り高い人が…あの恐ろしい人が…)
キャロルは思わず子供のように泣く王子に手を差し伸べて慰めそうになった。いや、そうしたかったのだ。
でも重い身体は動かず、泣き疲れて嗄れ果てた喉からは何の声も出せなかった。
やがて手当てを終えた王子が部屋を出ていった。初めてキャロルの閉じた瞼から一滴の涙が零れ落ちた。

853 :名無し草:04/05/10 23:16
菊門キタッ・・・!
でもやっぱ痛そうだね。

うpサンクスでつ。

854 :名無し草:04/05/11 00:49
基本は愛!
王子は何をしても私が許す!
本誌では絶対に拝めない、強引王子頑張れ〜。

>檻の中作家タン ありがトン。

855 :名無し草:04/05/11 07:23
「籠の中」作家様、
できれば47,5編を読んでみたい・・・。w

856 :名無し草:04/05/11 11:44
>>854
檻の中ってヲイ!
わからんでもないが(w
本誌では二度と拝めないであろう、王子のムチも出して〜
(;´Д`)ハァハァ

857 :籠の中:04/05/11 12:02
>>852
49
次の朝。キャロルは寝台から起きあがることも出来ずに臥せっていた。
王子はキャロルが浅く不快な眠りから醒める前にでていってしまったらしかった。召使達は何時も以上にキャロルを気遣い、大切に世話を焼いてくれたが消耗しきったキャロルはそれに気づいたのかどうか。
微熱で肌は不快な熱と湿り気を帯び、無理やりに裂かれた身体は重苦しく痛んだ。混乱した心を持て余しながらキャロルは考えていた。
手当てをしてくれた優しく、怯えるような王子の手の暖かさを。眠りの中で聞いた王子の声を。背中に感じた王子の涙の意味を。

─そなたをこんなにも愛しく思い、望んでいる私の心を知りながら踏みにじり、翻弄して、逃げ回るそなた。
─愛しているのに、愛して欲しいのにこうなってしまう。どうしてなのだろうな。私にはそなたしかおらぬのに。

(王子は真剣だったわ。あんな恐ろしい罪深いことを私に仕掛けながらもその心は悲しくて泣いているようだった。
……私は…王子の心の真摯さを知りながら逃げ回っていた。何も見ようとも聞こうともせず。王子は私の身体を弄んだけれど…私は王子の心を弄んでいたのだわ…)
皮肉にもキャロルは初めて自分の気持ちに向き合い、そして悟ったのだ。
(私は王子のことを好きなんだわ。あんなひどいことをされても…あんな恐ろしい人でも。皮肉なものね。好きなんだと、メンフィスを忘れるほど惹かれているんだって分かった今…私と王子の間は決裂してしまったわ)

その日一日中、王子は来なかった。こんなことは初めてだった。政務の合間には自分の宮殿に戻って来てキャロルの様子を確かめていたのに。
(あんなことがあってはもう顔を合わせられないというわけね…)
寝台に横たわったキャロルは壁に顔を向けていた。下半身の強い違和感が余計に切なかった。
(メンフィスとの関係はこんなじゃなかった。強いお酒に酔ったように浮き足立って…‘愛し合っている’なんて臆面もなく信じていた。自分で考える間もなくあの人に流されて。
王子は…王子との関係はもっと苦しかった。心のうちを知られてしまったら負け、王子の優しさに縋ってしまえば負け、あの人の脆さに気づいて手を差し伸べてしまったら…負け。
苦しくてたまらなかった。でもあの人はいつも…そして私も同じように…)

858 :籠の中:04/05/11 12:02
50
「王子、そなた、姫のところに行かないのですか?」
公務の終わった夕暮れ、所在なさそうに露台にただずんでいる息子に、ヒッタイト王妃は声をかけた。王子の手には今日、届けられたばかりの書簡が握られている。
「いつもいつも公務が終われば飛ぶようにしてあの姫の元に戻っていっていたというのに?ここしばらくはその素振りすらない。
…喧嘩でもしましたか?あの幼い姫と?そなたがあの子供のような姫とどのように喧嘩するのか見てみたいものだこと」
息子を元気付けようとでもいうようにわざと快活に話す母を王子は困ったように見返した。
(まぁ、小さい頃の困りきった時の表情そのまま!久しぶりに見たわ!)
「どうしたのです、イズミル。らしくもない。ムーラも心配しておりましょうに」
「は…」
「………困ったこと…」
奥向きのことを掌握する王妃にはムーラからそれとなく今回のこと─キャロルの不例と王子の素っ気無さの因果関係─が伝えられていたが、彼女とて詳しいことを知らされているわけではない。
「母上…」
「なんです?」
「恐れ入りますがこの書簡を…姫に渡して頂けませぬか?あの姫に見せてやりたいのです」
「私が?そなたではなく?何故に?そなたが見せてやるべきものなのでしょう?」
「私にはまだ公務がありますれば。どうか…どうか母上」
痛ましくやつれたような息子の顔を見ながら、王妃はその願いを聞き入れやらざるをえなかった。

「姫。身体の具合はどうです?見舞いに寄らせてもらいましたよ」
うつらうつらしていたキャロルは張りのあるヒッタイト王妃の声に目を覚ました。

859 :名無し草:04/05/11 22:01
不器用で素直になれない王子とキャロル。
痛々しい二人が何ともよいです>籠の中

860 :854:04/05/12 00:55
・・・・・・スマンカッタ・・・・・
檻って何だよー゚・゚(⊃д‐)゚・゚
作家タンごめんよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!

861 :籠の中:04/05/12 11:35
>>858
50
キャロルの白い顔に痛々しく浮かぶ隈、憔悴しきった顔つきに王妃は驚いた。
(なるほど、これはただの喧嘩ではなさそうな。しかし、あの優しい王子が何故に?)
問いかけるようにムーラを見れば、ムーラはどうか知らぬふりをしてくださいませとでも言いたげに首をわずかに振った。王妃は吐息をついた。
「王妃様…!」
「おお、姫、どうかそのままで。起きあがるには及びませぬ。ひどく疲れているようですね。薬は飲んでいますか?何か欲しいものがあれば遠慮なく申すのですよ。まことこのように弱っているとは…。
先日の宴で何かあったのですか?そなたはひどく気鬱のようだし…王子を昔から知ってい後宮の女達もひどく姦しいのですよ…?」
キャロルは目を伏せたままあたり障りの無い言葉を紡ぐばかり。何も聞き出せそうに無いと王妃は思うと、ようやく息子からの預かり物をキャロルに差し出した。
「これを…。イズミルからそなたにと預かってきました。自分で持って来ないのですから我が子ながら薄情なもの…」
「え…?王子から…私に…?」
「あ、姫君。急に起きあがられてはお身体に障ります。さぁ、枕に凭れてお読みあそばせ。…王妃様にはお茶など差し上げましょう」
ムーラはさりげなく王妃をキャロルの寝台から引き離した。王妃は目の端でキャロルを観察した。
青い瞳が書簡の上を滑るにつれて。キャロルの頬は赤みを増し、書簡を持つ手は震えた。
「私…これから王子の許に参ります。急いでお聞きしたいことがあるの。ムーラ、支度を手伝って!」
寝台から飛び降りるように滑り出したキャロルはしかし、すぐに足をもつれさせてよろめいた。
「姫君、無理でございますよ。ひどく体調がすぐれられませんのに!お止め下さいませ!」
「姫、ムーラの申す通りじゃ!落ちつきなさい、王子はまだ表宮殿で執務中のはず。女人は許しなく表宮殿へは渡れませぬ。さぁ、横になって」
「でも、王妃様!私、参らねばなりません。それに…それに…」
下肢の痺れるような差しこむような痛みに顔をしかめながら言うキャロルに王妃は言った。
「王子が大切に愛しているそなたに無理をさせたとあっては私も叱られる。さぁ、仲直りがしたいなら私が王子を呼んで…」

862 :籠の中:04/05/12 11:36
50
キャロルの白い顔に痛々しく浮かぶ隈、憔悴しきった顔つきに王妃は驚いた。
(なるほど、これはただの喧嘩ではなさそうな。しかし、あの優しい王子が何故に?)
問いかけるようにムーラを見れば、ムーラはどうか知らぬふりをしてくださいませとでも言いたげに首をわずかに振った。王妃は吐息をついた。
「王妃様…!」
「おお、姫、どうかそのままで。起きあがるには及びませぬ。ひどく疲れているようですね。薬は飲んでいますか?何か欲しいものがあれば遠慮なく申すのですよ。まことこのように弱っているとは…。
先日の宴で何かあったのですか?そなたはひどく気鬱のようだし…王子を昔から知ってい後宮の女達もひどく姦しいのですよ…?」
キャロルは目を伏せたままあたり障りの無い言葉を紡ぐばかり。何も聞き出せそうに無いと王妃は思うと、ようやく息子からの預かり物をキャロルに差し出した。
「これを…。イズミルからそなたにと預かってきました。自分で持って来ないのですから我が子ながら薄情なもの…」
「え…?王子から…私に…?」
「あ、姫君。急に起きあがられてはお身体に障ります。さぁ、枕に凭れてお読みあそばせ。…王妃様にはお茶など差し上げましょう」
ムーラはさりげなく王妃をキャロルの寝台から引き離した。王妃は目の端でキャロルを観察した。
青い瞳が書簡の上を滑るにつれて。キャロルの頬は赤みを増し、書簡を持つ手は震えた。
「私…これから王子の許に参ります。急いでお聞きしたいことがあるの。ムーラ、支度を手伝って!」
寝台から飛び降りるように滑り出したキャロルはしかし、すぐに足をもつれさせてよろめいた。
「姫君、無理でございますよ。ひどく体調がすぐれられませんのに!お止め下さいませ!」
「姫、ムーラの申す通りじゃ!落ちつきなさい、王子はまだ表宮殿で執務中のはず。女人は許しなく表宮殿へは渡れませぬ。さぁ、横になって」
「でも、王妃様!私、参らねばなりません。それに…それに…」
下肢の痺れるような差しこむような痛みに顔をしかめながら言うキャロルに王妃は言った。
「王子が大切に愛しているそなたに無理をさせたとあっては私も叱られる。さぁ、仲直りがしたいなら私が王子を呼んで…」

863 :籠の中:04/05/12 11:37
51
「いいえ、いいえ、王妃様!違うんです、違います!王子は私の事なんかこれっぽちも愛してなんかいません。私はただのおもちゃのようなものです。飽きたら捨てられる…だけの…!」
「姫、何を言っているのです…」
大人しい頼りなげな姫よと思っていた少女が初めて見せる感情の激しい爆発にさすがの王妃もおろおろとなった。
「本当のことです。王子は私の事なんか愛していません!
お、王子は…私のこと、ただのエジプト征服の手駒だとしか思ってなくて、利用価値がなくなればさっさと捨てるんです!愛してなんかくれません。
散々、散々、おもちゃにしていろんな事を言ったり、したり…して。ムーラ達は知っています、私はただの王子の…慰み者、で…」
「姫君、お静まりあそばして!」
ムーラが身を震わせて泣き叫ぶキャロルをしっかりと抱きしめて口を塞いだ。だから、私は王子の欲望の捌け口です、というどぎつい言葉は息子を自慢に思って止まない母親の耳には入らずに済んだ。
「姫、一体どうしたというのです?そなたは王子自慢の妃ではありませんか」
「王妃様、姫君は少しお熱があるようでございます。ご心労も重なり混乱しておられるのだと。侍医殿をお呼びして…」
キャロルは激しく首を打ち振った。私は正気よ、王子なんて大嫌い、あんな人に惹かれていた私は何と愚かだったの、という叫びはくぐもった音にしかならない。
「一体…」
キャロルの膝の上から落ちた書簡を拾い上げた王妃の顔は見る見る強張った。
(これは…なんと!このようなものを直接に姫の目に入れるとはあの子は一体どういうつもりなのでしょう?!)
「ムーラ、姫を見ていてやってください。必要なら少々、眠らせたほうがよいやも。このままでは本当に正気を失って早まった真似をしてしまう。鎮静剤は扱えますね?
私は王子を呼んできます!全く…!」
そういうと王妃は衣裳の裾を翻して表宮殿へ続く廊下を急いだ。

864 :籠の中:04/05/12 11:38
52
─ヒッタイト王国世継ぎイズミル殿。
我が国の未曾有の国難をその命と引き換えに救いし聖なる乙女が、御身の許に転生したるは神々の恩寵であろう。
今となっては御身の許に新しく生まれ変わった神の娘の幸せを祈るばかりである。遠い異国の地にて新たに生まれ変わりたるもおそらくは神々の意志。
今となっては我が手許に呼び戻すことも叶わぬであろうと思う。
どうか、御身の許にある娘を大切にして欲しい。その娘が健やかである限りは我が国のナイルの女神の御心も安らかであろう。我が民の暮らしも安寧であろう。
エジプトとヒッタイトの未来が平和であることを祈る…。

王子がよこしたのはエジプトのファラオ メンフィスからの国書。
王子の誕生日に併せて行われたキャロルのお披露目の噂は早速エジプトにまで届いたらしい。王妃アイシスの初めての出産を控えたエジプトでメンフィスの心は激しく波立った。
永遠に失われたと思っていた少女が生きていた!遠い異国の地で、憎い敵の手の中に!
だが結局。メンフィスはアイシスを、いや、アイシスと共に統べるエジプトの平和を選んだ。
(こんなにも長い間、行方も知れなかった最愛のキャロルが今、ヒッタイトの王子妃として在る!ああ…私達は長く隔たりすぎた。あの一本気のキャロルは…意に染まぬ男のものとなるくらいならば自害するだけの気骨の持ち主。
それをせぬということは…キャロルは…新しい幸せを見つけたのだ。私と同じように。
姉上の出産を待ちわびる私にどうしてキャロルを責められよう。今となっては…キャロルの幸せを祈ってやるのが私の心の証だ…)

その国書の末尾に王子の字でこう書き加えてあった。あきらかにキャロルに宛てた短い一文。
─姫よ、御身はどうされるか。望むならばエジプトに送り届けよう。

865 :籠の中:04/05/12 11:43
いつも読んでくださる皆様、スルーしてくださっている皆様、ありがとうございます。
二重投稿&通し番号間違いをしてしまいました。見苦しくてすみません。
861は通し番号50じゃなくて51ですね。明日の分から直します。

>860さま
籠の中じゃなくて、檻の中、でもちっとも違和感無いです。ものすごく受けてしまった
のでそんなふうに言って頂くとかえって恐縮です…。

866 :名無し草:04/05/12 17:53
連日うpお疲れ様です。
毎日よめて幸せ♪

連載途中の作家様達もどんどん戻って来てくだされ〜m(--)mペコリ
新作も待っております。

867 :名無し草:04/05/13 01:29
本当にお疲れ様です。
作家様、決して御無理をなさらないでくださいね〜。

868 :860:04/05/13 01:45
籠の中大好きデス
毎日の楽しみをありがトンーーーー。
優しいレスに゚・゚(⊃д‐)゚・゚

869 :籠の中:04/05/13 12:58
>>864
54
執務の間の大机の前にただ一人、イズミルは座っていた。一つ灯された灯火を見つめる瞳はまるで孤独な猛禽のようだった。
(姫よ、そなたは自由なのだ。私がいくら求めようとも、力でねじ伏せようともその強い翼をもぐことは出来ぬ。
このまま、そなたを手許に置いておけば私はいつか、そなたを殺してしまうだろう…。
そうならぬうちに…私が再び妄執の虜とならぬうちに…まだ正気で居られるうちに、そなたを私の手の届かぬところに…)
「そなたになど逢わねば良かった…」
王子は呟いた。
「誰かを愛するというような愚かな真似などせねば良かった。そうすれば…苦しまずに済んだ。愛する者を手許において幸せにしてやれるなどという馬鹿げた夢など見ずに…」
(そなたを愛し、幸せにしてやろうと思うのに、私の手許にそなたを置けばそなたは苦しむばかりだ)
「どうして…なのだろうな…。私とそなたは…」
痛めつけたキャロルの身体の感触と血の匂いが王子の脳裏に蘇る…。

「王妃様っ、ただいま王子は人払いをお命じです」
「どきなさい!そんな命令、母であり王妃である私には関係無いことです。
…王子!」
ばーんと扉が開けられ、廊下の明かりが射しこんできた。
「これは…母上…」
目をしばたきながら王子は立ち上がった。
「王子、そなた、この母に何と言うことをさせたのですっ!姫の許にすぐ参れ!そなた、姫を殺すつもりですか…っ!」
「え…っ!」
「姫は…死ぬるやもしれませぬぞ!そなた姫に何をしたのです!」
王子は母や兵士らを突き飛ばすようにして廊下を駆け出した。
(姫よ、姫!何故に私を苦しめる?)


870 :籠の中:04/05/13 12:58
55
「いやです、来ないで!」
キャロルは壁際に立ち、小刀を手にムーラ達を睨むようにしていた。
「そんなもの飲みません!私は正気です!もうこれ以上の屈辱には耐えられません!」
「姫君、どうかどうか落ちつかれませ。小刀をお離しくださいませ。
あなた様に何かあれば王子が嘆かれまする。王子はご自分の命以上にあなた様を愛しておられますのに…」
鎮静剤の杯を手にムーラはおろおろと言った。キャロルは思った以上にすばしこく、置いてあった小刀を手に取るや自分の喉許に突きつけたというわけだった。
「お願いでございます、姫君。どうかせめて王子をお待ちあそばせ。姫君を深く愛しておられる王子が何の理由もなく姫君を傷つけるようなことをなさるはずもございませぬ」
キャロルは据わった目でムーラを見つめ返した。王子の無体、メンフィスからの国書に書かれた王子の言葉…。育て子を盲愛する乳母の言葉のなんと空虚なこと!
(私は結局、弄ばれ、手におえなくなれば捨てられるんだわ。
あの人のやり方は全て気まぐれ。優しくしたかと思えば、酷いことをする。もうこれ以上、あの人に翻弄されるのは嫌。政治の駆け引きの道具にされるのも嫌。もう終わらせよう…!)
キャロルは小刀を握りなおし、白い首筋に何の迷いもなく突き刺し…。
「姫ーっ、やめぬかっ!」
王子がキャロルの手から小刀を叩き落とした。はずみで少し切れてしまった首筋から血が散った。居合わせた人々は悲鳴をあげた。
キャロルと王子は激しく睨み合った。
「何…を…」
「ええい、姫、何ということをする!そなたに万が一のことあれば私は…私は…っ!」
王子は蒼白で、たった今、最愛の者を失いかけた衝撃ゆえに震えてさえいた。
(王子が…震えている?私を飽きたおもちゃのように捨てようとした人が)
キャロルは思わず目をあげて王子の顔を見た。

871 :籠の中:04/05/13 12:59
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怪訝そうな青の瞳が王子の中の理性を瞬時に蘇らせた。王子の動悸は未だ激しく、心は物狂おしく波立ってはいたが。
「一体、どういうつもりだ!このような自害の真似事などっ!私を愚弄するかっ!」
少し深く切れたのか、首筋からは血がまだ滲み出している。王子の手は無意識のうちにキャロルの傷に触れる。
「触らないで!じ、自害の真似事ですって?私は…本気よ。死なせて!これ以上、あなたに翻弄されるなんてたくさん!あなたこそ、私のことをその気もないのに妃だなんて言って!あなたこそ私を…ヒッタイトの人達を愚弄しているわ!」
「私が…私が…?」
王子は心底驚いたような、傷つけられたような顔でキャロルを見つめた。
「……あの…こと、か?」
それはきっと過日の無体のことであったろうが与えられた返答は頬への激しい痛みだった。
キャロルの傷の手当てをしようと割り込む隙を待っていたムーラも、息子らしからぬ取り乱しように驚いていた王妃もその激しい音に驚いた。
「王子…」
おろおろと進み出たムーラの手にあった杯を、落ちつこうとでもいうように干した王子は、鎮静剤の味に顔を顰めてそれを吐き出した。
「しばらく私と姫の二人きりにして欲しい!大切な話があるのだ。
ああ、姫の傷のことは心配無用。たいした傷ではない。そうだな、姫?」
気圧された人々が心配そうに出て行く音を聞きながら王子はキャロルを見つめた。先に口を開いたのはキャロルだった。
「馬鹿にして!あなたがよこしたあの手紙よ!あ、あんなこと書いて。
エジプトにもう私の居場所がないくらい分かって…いるわ…。それなのに要らないモノをつき返すようなことして」
「要らないモノだと?そなたが?そなたのことを思って…」
キャロルはもう一度、王子を打った。今度は王子の口の中が切れた。


872 :名無し草:04/05/13 14:41
意外とバイオレンスキャロルも好きかも。

873 :名無し草:04/05/13 14:53
いいですねえ。
続きが気になるところだわ。

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